チェーンソーエンジン【ブルン】掛かりそうで掛からない

修理のコツ

リコイル引くのも限界です!30回で腕が痛くなりました。1つずつ確認しながら修理をした内容になります。【清掃に原因】があった故障です、自分でメンテナンスしたり調整や交換する方へも参考になるようにまとめます。

チェーンソー修理の受付状況

依頼者様
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「昨日まで使えたのに、急に掛からなくなった。」

緑機メカ
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「試してみますね。」チョーク引いて【ブルン】戻して掛からない

依頼者様
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「汚れが凄いから、クリーナーで掃除したよ。」

緑機メカ
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「キャブレターの調整はしましたか?」

依頼者様
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「イヤ、してないなぁ。」

  最初に聞き取りをしながら、点検を始めていきます。

まずは、チェーンソー点検。【現状確認】

最初に思い付くのが、燃料供給に問題がないか?ですが、履歴がないのでメンテナンス状況も見ておきます。

スパークプラグの状態と火花確認 エアーエレメントの汚れ(掃除したと有るので、定期的に綺麗にしていそうだ)

故障事例と照らし合わせ

初爆ができるのは、プラグの火花やコイルの点火に問題はなさそうだ。 チョーク引いた状態で掛かりスロットルを開け、エンジン回転数上がるのであればメインジェットからの燃料供給不足。エンジン回転の息継ぎや高回転からのエンストは燃料フィルターの詰まりを想像できる。

キャブレターの調整が悪い?【ニードル戻し調整】

照らし合わせた故障とは、ちょっと違う。キャブレターの燃料供給に影響を与える、ニードル調整をしてたかもしれない。そして調整がずれている?

取扱い説明書には、調整要らないことも書かれています。同時に、ニードル戻し量H=1と1/4、L=1と3/4など 標準位置へ戻します。

キャブレターでは、他にもアイドリング回転の調整も出来ます。この調整が高過ぎても、低すぎてもアイドリング状態を維持できません。初爆できても、始動とアイドリング維持ができないとの原因が重なり、気になるポイントです。

消去法でキャブレター交換【燃料供給不足】

なにもせずに、直ることはないので相談させていただきました。キャブレターに問題が有りそうと、交換も了承していただきました。また、定期交換の燃料フィルターを交換いたしました。

改善されず、原因追求の続きをします。となるとエンジン本体が気になります。

最近のスターターは、軽く引けます。スプリングを2つ使う構造で、ピストン上部に発生する圧縮を感じにくくなってます。2サイクルなので、圧縮圧力は4サイクルよりも少ないです。

圧縮圧力が弱いのか?【ピストンリング】

圧縮圧力を考えるうえで、【ピストンリング】は重要部品になります。シリンダーの内部を燃焼爆発によって、ピストンが下がります。その摩擦と気密を担うのがピストンリングです。ゴミ等も積もることで、リングの張りが無く溝へ戻される状態です。役割を果たさない状況になってきます。

もし、【ピストンリング】が原因だと再始動がしにくい。紐を引く時にガタガタとスムーズに引けない等の症状が出ます。

今回の故障と、完全に合致したとは言い切れません。

スターターを外して、プーリーを回すと抵抗感が少なく感じる。(圧縮圧力は逃げてしまってる)エンジンを分解して、中を確認していくようになります。

チェーンソーのエンジン分解【特殊工具は必要】

ピストンリングを確認するためには、分解をして行きます。チェーンソーは、コンパクトに構成されているので、ほぼバラバラにします。

エンジンを外すには、チェーンが回るクラッチを外さないと行けません。専用の工具必要になります。

分解途中に、リードバルブへ異物の挟み込みを確認しました。キャブレターより奥の、エンジン本体の一部分です。

リードバルブにゴミが挟まる【原因特定】

外観の目視では確認できません。1つずつ分解して解ったことです。

構造は、薄い板状がバルブになります。役割は、ガソリンと空気の混合気を、エンジンから外部へ逆流を防止しています。

ピストン上昇の不圧に吸入された混合気が、クランク室内に吸入されます。次の行程、ピストンが下降する際に燃焼室へ送り込まれるはずが、リードバルブの隙間から逆流しています。

圧縮圧力が少なく感じる事や、清掃してからの不調と当てはまります。清掃方法に気を付ければ、防げたトラブルです。清掃の工夫を、試してもらいたいです。

今回キャブレター交換は、【今後の経年劣化のキャブレター不具合を回避】と【予備になる】と納得頂きました。勿論、返品も受ける予定でした。

【先に、ふさぐ】チェーンソー清掃の工夫

普段の清掃も、エアークリーナーのエレメントを掃除します。キャブレターの中央の空洞、や小さい穴を詰まらせないようにします。

パーツクリーナー等を用いる場合や汚れが酷いときに、テープや布など穴を覆っておく。ちょっとしたこと、それだけでも予防になるので是非

まとめとこの先

チェーンソーの不調は、清掃も気を付ける教訓になります。チェーンソーオイルや木屑がごちゃ混ぜの堆積、パーツクリーナーを使いたいですが先にふさいで清掃しましょう。

チェーンソーのトラブルの大半が、始動に関することです。18Vバッテリーの充電式チェーンソーは、エンジントラブル無くなります。個人使用の範囲であれば充電式でも十分です。メーカーもバッテリー充電へ移行してます。高いのはバッテリーですが、充電式の電動工具に多用できるので良いと思います。

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