修理する立場でも、バッテリーに関する事が最も多いです。事例を挙げながら、【ひとまず掛ける】【点検や簡単にできそうな交換】【専門的に工具で点検、充電、修理する】の3段階にまとめたいと思います。
ここでは、バッテリーに関することで自分で何とかしたい!と思う方や、苦手な方も、納得して依頼出来るように【動画】や【画像】も使い、まとめたいと思います。
- スターターの回る音が、ゆっくりになっていく。
- カツン!とするけど回らなくなっていく。
- カッカッカッ!と変な音がする。
バッテリーが弱くなってる症状は、こんなパターンが有りますね。何だか、エンジン掛かる気配がしなくなる。
もうここで、バッテリー駄目だっと思いますね。直ぐに機械を使いたいときに、「掛からないんですけど、来てくれますか?」って呼ばれます。機械を所有して乗ってれば、自分の所で多少のメンテナンスはするとお思いますが?呼ばれる訳も、考え伺います。
プラスターミナルのカバー開けて、ケーブルのワニクリップを挟もうと思たんです。あー、これから色々手が係るし、「ちゃんとやらないとな」となりました。
ジャンプスタートも3種類、良いところも悪いところも
基本的なジャンプケーブル
- 1人で作業するのがやりにくい。
- バッテリーに繋ぐ相手がいないといけない。
- 短いと届かないケースがある。
- うっかりプラスとマイナス付けて、バチバチと火花を出してしまう。
- 購入の費用は、安いが持ち運びが不便。
バッテリーパック
- リチウム電池で長持ち。
- 作業も1人で繋いでからスタート出来る。
- 同じようにバッテリーなので、数年でバッテリーはへたる。
- いざって時に充電をしておかないと使えない。
- 持ち運びは楽です。
- 物置に置いておけるが、車体に常備はしにくい。
- 購入は万単位の金額
ウルトラキャパシタ
- バッテリーパックより軽い。
- バッテリー無し、事前充電必要ない。
- 使い方のコツがあり、バッテリーパックをイメージすると悪い印象。
- 持ち運びは楽、高価で品薄になった。
【動画】新しいウルトラキャパシタの使い方
簡単に比較すると
/ | ウルトラキャパシタ | バッテリーパック | ブースターケーブル |
---|---|---|---|
使い勝手 | 充電不要コツがいる | 事前に充電 | 1人でやりにくい |
持ち運び | 軽い | 容量で重くなる | 5m長さ欲しい |
費用の目安 | ¥30000 | ¥20000 | ¥3000 |
【ひとまず掛ける】の1段階で内容ができてしまいました。引き続きまとめていきたいと思います。最初の白い粉のようなものが映った写真で、3段階までやらないといけない状況です。レベルに合わせて、段階を入れてまとめます。
3段階目は、バッテリーに関する修理、点検、交換のことを網羅するつもりです。「お気に入り追加」をしていただき、必要な時に確認していただきたいです。
自分で出来そうな、点検や交換 【レベル1,2】
バッテリー強化液を足すべきか?
適量値を知らないで足せば、充電中に膨張しあふれます。また栓のパッキンも、開け締めを繰り返して傷みます。減っているなら、過充電だったり、バッテリーケースの損傷、パッキン周りやバッテリ周りが、バッテリー液で濡れる。外観の目視で、異常がわかるはずです。
何故減るのか?理由が分からずに、補充をする必要性はありません。
バッテリー強化液は、ラベルを見ると【精製水】と書かれています。うま味もない「H₂O水」です。
希硫酸の液は、毒劇物なので一般の方は、入手しにくいです。でも、おいしい水は入れないでください。それは塩分、ミネラルなど化学反応し性能を落とします。
レベル1 工具不要の点検
- バッテリー配線の緩みがないか、ゆすってみる。(触診)
- バッテリーの液レベルを確認(目視)コインで栓を開けれます。
- 電圧計搭載のトラクター、セル付き大型機械の電圧値チェック(目視)
- 汚れ錆びなど、ブラシで奇麗にする。
希硫酸は、水溶性でターミナルに付いた白サビ青サビは取れます。洗い流すと、車体の塗装にダメージを与えます。 トレーは掃除して、塗装ダメージはペイントし直し。腐食によるバッテリー脱落は防げます。
レベル2 自分でバッテリー交換
交換であれば、標準工具の最小限でできる場合があります。すぐ使いたくてジャンプスタートして始動したと思います。その時点で【ジャンプスタート=バッテリーダメかも】と感じたと思います。
機械を買ってから、今まで未交換だったり。何年前に交換したか不明。使わない期間が極端に長かった。などの理由があれば、交換していいと思います。交換や購入の注意やヒントもあります。下の記事も合わせて確認してください。
選ぶバッテリーも、MFバッテリーと充電制御タイプと種類があります。選ぶ基準は、求めてる条件で変わります。合った物を選べると良いです。色んな事を書いていきますので、購入のヒントになれば幸いです。
修理、充電、点検 バッテリーに関するレベル3
写真に写っているものは、道具の一部になります。腐食の進行や点検内容でまた増えてしまいます。ここより先は、【点検や診断、修理】
何故?バッテリー̟のプラス⊕ターミナルだけ、やけに白い
冒頭の写真を見ると何だろう?と思います。それは鉄に、バッテリーの液(希硫酸)が付いて腐食しました。青い場合もあります(銅にすずメッキされてます)
充電時に発生した、水素と一緒に希硫酸も吹きこぼれています。
端子の周りとケースの端子との隙間があります。充電時の水素H₂発生と共に漏れ出して希硫酸(H₂SO₄)が赤いカバーの下で、ターミナルを腐食進行させます。充電中のケース膨張を考慮され、鉛の端子と柔らかいプラスチックのケース素材との間が、隙間を作りやすい要因もあります。
バッテリーターミナルの白いサビと対処、その訳は?
ナットの形がおかしい。進行してしまったら、ボルトナットの固定する役目を果たせない。接触不良を起こしたり、スパークさせたり、エンジンが掛からない。他の細い配線端子は、すぐに断線します。電源供給だと何が起こるかわかりません。
ぬるま湯をつけたブラシで、磨き落とします。水溶性の希硫酸なので落とせます。しかしボディの塗装面にダメージを与えますので、注意が必要です。端子やターミナルの接地面は酸化変色してます。通電性を良くする為にも、金属ワイヤーブラシで磨きます。
ターミナルのネジ腐食で、緩められない。
改めて、ターミナルを見ると太くて大きい。使われてる車種は、【外車】 【フォークリフト】 【重機】 【トラック】 【昭和の車】 ですね。令和では、国産車のガソリン車で見なくなりました。初めて見る方は、ビックリされる方が多いですね。また、どうしよう?!となります。
緑化管理機械には、アメリカ製が多いのでバッテリーに関する、メンテナンスは必ず必要になります。
腐食ボルトナット、取り外しと除去
完全な締付けを維持出来ていません。ターミナルプーラーやマイナスドライバーとハンマーで広げる方向へ、少し打ち付けると緩みます。
ターミナルの修理パターン
- 普通のボルトナットの場合、座りが悪いです。
- 4角ボルトは1辺で固定できるか?チェックします
- 6角穴付ボルトも向きが良ければ使えます。
- 挟み込み式真鍮スピードターミナル配線加工が必要
サイズは、M8X40MMが目安です。変形や腐食が酷いと、カシメる工具無しでも使いやすいターミナルへ交換します。出来れば4角ボルトナットのセットが欲しい場合は、販売します。修理作業も承ります。
【動画】バッテリーターミナルの腐食補修ダイジェスト
バッテリーの種類別に、点検や充電方法を変えます
交換前提の段階
- バッテリー点検
- バッテリー交換
買いたくない段取り
- バッテリー点検
- バッテリー充電
- バッテリー再評価
- 復活願い、パルス充電
- しばらく使って
- 泣く泣く交換
簡単に種類を分けると、リチウムイオンバッテリーと鉛バッテリー(液入り)です。カルシウムバッテリー、充電制御型バッテリー、密閉型バッテリー、MFバッテリー、ディープサイクルバッテリーもバッテリー液=希硫酸が入ったバッテリーなのです。
重い容器の中身が、違うんです。全然見えないけど、いろいろ改善されています。
ここでは、MFバッテリー(メンテナンスフリー)と液入り鉛バッテリーに共通する、【電圧点検と充電】。鉛バッテリーで解放栓を開ける【バッテリー電解液の比重点検】を書いていきます。方法が参考になれば幸いです。
バッテリーの基準数値
点検や判断の目安になります、基準と測定した数値を比較。見ただけでどんな状態なのか?わからないものを可視化できると思います。『エンジン始動せず=不良バッテリー』ではないことは忘れないでください。
/ | 新品バッテリー | 平常バッテリー | 不良バッテリー |
---|---|---|---|
電圧 | 12.8V | 11.8~12.6V | ~10.5V |
比重 | 1.28 | 1.20~1.24 | ~1.10 |
MFバッテリー
- 液補充できない、量を確認できない
- 電圧計でクランキング電圧降下を見る
- ロードテスターの負荷テスト
液入りバッテリー
- 解放栓から硫酸洩れると、腐食
- 液補充ができる
- 各セルの、比重を測れる
ガソリンスタンドで給油してるときに、「バッテリー点検無料でしませんか?」と言われたことないですか?チェッカーは、業務用のちゃんとしたものです。
バッテリー交換してほしいから、適当なことはできない。バッテリー評価のレシートを見せて説得してきます。
「今日は持ち合わせないから、あれだけどチェックしてください」って言えればいいんですけど、自分からは言いにくいですね。
【動画】マルチメーターを使った点検方法
バッテリーは、電圧V(ボルト)の数字で見えるようにする。
電圧を見るのは、よくわからないなと思います。そして、小数点以下まで気ににして判断にします「12.7vイイね」「12.1vちょっと弱いね」と言います。ちょっと細かいです。
- エンジン作動前の電圧をチェックする。12.4~12.7V が望ましい。
- エンジン作動時の電圧をチェックする。13.5~14.5Vが望ましい。
- セル回転始動時の電圧降下の程度を見る。10.5V ~以上が望ましい。
新しいバッテリー、不良のバッテリー、掛かりが悪いバッテリーをテスターを使って点検するとどのくらいの電圧値を維持できるかが判断の基準と経験になります。次に、機械でテストした動画で確認したいと思います。
【動画】バッテリーロードテスト【MFバッテリー、鉛バッテリー共通】
6つのセル、バッテリー電解液の【比重】測定
乗用芝刈り機、7年間バッテリーは無交換です。容量は36AH CCA 585Aです。表にした値から、変化を説明します。
/ | 平常時 | 負荷テスト | セル1比重 | セル2比重 | セル3比重 | セル4比重 | セル5比重 | セル6比重 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
充電前 | 12.47v | 11.00v | 1.24 | 1.24 | 1.23 | 1.23 | 1.23 | 1.20 |
パルス後 | 12.67v | 11.20v | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.22 |
点検なので、充電前だけでも各セルごとの状態がわかります。充電後比重については、後ほど【パルス充電】の段に説明があります。
- バッテリーの電圧を点検したり、掛かりが悪かった原因が、充電不足なのか?更に詳しく確認するために比重も測ります。
- セル間のばらつきも0.04まで許容です。それ以上は、基板の還元するか化学反応が悪いと言えます。
- 抜き取ってみる、バッテリー電解液の色が濁ってる=酸化や剥離が疑われます。
- バッテリー電解液の量を、測定と一緒に確認できる。
この点検では、セル6が低いの損傷が少し始まってしまった。基板が見えるほど、液量が少なかったです。補充液足しています。機能回復を期待し、パルスう充電をこの後に実施しました。
CCAがわかる、バッテリーチェッカー
CCAは、わかりにくい表記ですね。JIS規格(日本の規格)のバッテリーの上部には表記されていません。EN規格(ヨーロッパの規格)やBCI規格(アメリカの規格)にいはあります。互換表がないと使いにくいテスターです。後ほど買ってから、使い方などをまとめます。
3つの充電方法
急速充電
大きい電流30Aもかけていきます。動画で見るとわかりますが、ブクブク煮立つように化学変化させてます。開放栓を開けないと膨張でケースを傷めてしまいます。MFバッテリーには向きません、鉛バッテリーに使います。
容量30AHなら、1時間の充電で過充電になってしまう。 式は1H(時間)x30A(電流)=30AH容量だからです。
小型バッテリー普通充電器
100Vの家庭用コンセントで使えます。ケーブルは長くないので延長コードを使うか、バッテリーを外して使います。バイク~軽自動車~普通車~トラックまでマルチに使えます。定電流の自動充電コントロールできます。
30AHの容量のバッテリー普通車で設定します。式は、5Ax6H(6時間)=30AH
パルス充電でサルフェーション除去
サルフェーションの除去、鉛基板に付着した結晶は、化学反応させる面積を減らします。容量の減ったバッテリーの回復が見込まれます。
2.5A最大14.8v、48時間で変化が見られました。
パルス充電で、どのような変化が確認できるか?
乗用芝刈り機、バッテリーは今まで無交換です。容量は36AH CCA 585Aです。表にした値から、変化を説明します。
/ | 平常時 | 負荷テスト | セル1比重 | セル2比重 | セル3比重 | セル4比重 | セル5比重 | セル6比重 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
充電前 | 12.47v | 11.00v | 1.24 | 1.24 | 1.23 | 1.23 | 1.23 | 1.20 |
パルス後 | 12.67v | 11.20v | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.26 | 1.22 |
72H後の測定判断です。充電前の比重測定をしたときには、バッテリー電解液の不足がありました。基板の上部が、液面より出ていました。補充液を足したのもあり、機能回復も期待してパルス充電をじっくりしました。
電圧や負荷テストでも、充電後のほうが数値がよくなってます。回復したことがわかります。同時に、物理的損傷があった。セル6のみ他と0.04差が出たり、低い比重があります。エンジンの掛かり具合に影響出てません。このまま使い続け、バッテリー交換は先延ばしができます。
コメント