大型で回転式の芝刈り機です、ゴルフ場のラフを刈ります。あまりイメージがわかないと思います。ゴルフが好きな方でも、どんな機械でコースの管理をしているかは知らないものです。大型の機械でゴルフプレーへの集中力が途切れたり、苦情があっては困るので目線に入らないように目立たないように作業しているそうです。
スペック 日本Xアメリカ
大型の機械でなんと総重量は2トン越え、そんな車体や回転刃ユニットを支えるエンジンは。日本メーカーのヤンマーです、出力55hp ディーゼルフルスロットル(←好きな言葉)2700rpm。排気ガス規制もクリアています、黒煙やNoXも低減されて環境に配慮されています。
「下町ロケット」を思い出してしまいます、佃製作所がトラクターを作る?!エンジニアの物作りにかける情熱に、感動してしまいます。私は、エンジニアではないので羨ましく思います(嫉妬心もチョット)。聞くところによる、評判も「まず壊れない、ヤンマーですもの」日本の良い物が、世界で認められていると思うと嬉しく、誇らしく感じてしまいます。
メンテナンス
円の中心から半径が大きくなると、回転数は変わらなくても外側の移動量は大きい←なんやら難しい公式みたいなことを言われてもわかりません。見える化を推していますが、この回転刃の作動をひっくり返した状態で見せることは厳しいです。高速回転で回るので、セーフティ機能がかかり回らない仕組みになっています(デッキを下げるが作動条件に入っています。)
- 27”(約70cm)ブレード交換(回転刃の交換)
- エンジンオイル交換(CJ-4ワールドスペック)
- 各部グリースアップ
- ブレーキのチェック
- 油圧ホースの状態チェック
- エンジンベルトのチェック
- タイヤ空気圧チェック
新しい機械なので、あまり見るところはないかと思いましたが、そんなことはなかったです。
メーカーサービスエンジニア
無償の追加作業がありますと連絡をもらいましたので、GW明けに作業をしていただきました。コネクターの電気配線への追加作業でした。せっかくだったので、いくつか質問をさせていただきました。農業機械、緑化管理機械、自然相手の過酷な環境下で仕事をしている機械は、「何があるかわからない」そう意識しています。
外車整備時代にも、いろんなことを経験できた事はよく当てはまります。少ない故障事例、部品のバックオーダー数か月待ち。クレーム作業、保障作業などもたくさんこなしていました。
こんな事例はなかった!が何時もあるかもしれない
乗用車のように、何万台もあると直ぐ生産時点でも改善されてたり、データの蓄積が可能ですが。工場で人が1台1台作り上げているので、些細なこともあるのです。メーカーエンジニアさんは、ネットワークも実績も豊富ですから的確なアドバイスをいただけます。「いろいろ注意して、ユーザーさん側で小さいうちに故障要因を排除できます。ホントに必要な時にだけ出張して作業して経費削減にしてもらいたい。運営継続のために、機械設備の投資にも還元できることが大事なんです。」とおっしゃっていました。
また、「大きい機械から車両系まで、冬にでも車体を揚げてタイヤを浮かせてください。未舗装の山坂を走るのに、サスペンションが無い機械もあります。ハブベアリングのガタや、車軸モーターのオイル漏れ、確認して夏を乗り切れる体制を取ってほしい」
緩みやガタ 金属の消耗
- アームの上げ下げで、油圧モーターへ接続されるホースが引っ張られる。緩む方向へ、力がかかるので注意が必要。実際3/5か所が緩んでいました。
- ピボットシャフトの曲り、ぶつかったときの安い犠牲として曲がってしまいます。前3本に曲りがありました。
- スキッドブラケットの減り、いちばん外側のブラケットは段差などの際を進むので削られてしまいます。
- 油圧ホースとパイプラインの干渉、擦り切れると漏れてしまう危険が高いです。
- シートエアポンプの不動、座ったまま作動があったのかもしれません。
*この上のことはアドバイス作業も含まています、エンジニアさんのお名前は了解を得ていないので公表できません。しかし、ブログ発信は応援していただいています。教えや学び、難しいですが大事だとも言っておられます、私自身も少しでも役に立つことを想い発信していきます。
安全のための工夫
エンジンに力があると、斜面をついつい「もう少しいける!」と駆け上がってしまいます。けどGM4000Dと違い、前後の重量バランスが前にあります。下りの時に、リアタイヤの接地が浮いてしまう。ハンドル方向転換ができなくなり、危ない思いをしてしまいます。私は、「無理せず上がらないように気を付けてほしい」とお願いしました。今回の工夫は、トラクション向上になることです。
お金をかけずに、ウェイト増し
タイヤの中に、水とLLCを入れ40kg位増しました。大型なのに、小さいタイヤで舵を切るので少しでも重さが欲しいです。鉄製で純正のウェイトは¥100000位してしまいますので、水がいいです。
作業を言わないようにしました、下がるときへの安全を想いしたことです。言えば、またいけそうなところを駆け上がってしまいます。上がれば上がるほど危険が増しますので、行き過ぎてほしくないです。それと、下がるときのリスクが減ればいいかなと思います。くれぐれも怪我が無いようにしてください。
チョットひと手間が、後で楽になります
締め付けのマーキングです、納車前の点検をメーカーでしてもらうときにも「触ったら、マークしてください」とお願いします。
責任の印でもあり、言い逃れできません。細かく言いますと、マークの仕方にも工夫をします。その年1年間は、同じ色を使います。翌年には、マークカラーを変えていきます。3色使うだけでも、「ここを触り、オーバーホールしたのは一昨年だ!」といちいち履歴探さなくても、マークの場所や数で何をやったか思い出しやすくなります。消耗品にも交換日時をカラー分けすると、カラーの年がわかります。ちょっとした時短ができますね。
ネジと受けにマークする。これは、もしも緩みがあったら工具を当てなくてもすぐにわかるためです。受けとネジにマークがずれれば、その分緩んだことになります。
意識しながらやるだけで、冬整備から、夏の繁忙期に忙しいときほどすぐわかり、対応できてよかったと思います。
ホースへのプロテクションは、ホースやパイプだけに留まらず、配線も保護できますのでお勧めです。損傷のリスクを下げ、交換費用の発生も遅らせることができます。
お伝えしたいこと
ちょっとした工夫や時短にできそうなこと、経費を抑えることできそうですね。夏の故障は、オイル漏れをいちばん避けたいです。メーカー問わずで、やれることがあります。横のつながりが少ないのは、とてももったいないです。もっとベテランの人は、知恵を持ってると思います。また、「ありえないことが起こる機械」だったりします、経験の共有ができたら素晴らしいと思います。また困っていたことへのヒントになれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
動画もあります。
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